ダクトに断熱工事・保温工事をすることの重要性

ほとんどのダクト工事は、「ただ管を通すだけ」では終わりません。たとえば排気ダクトや換気ダクトなどでは、より安全性や省エネ性などを高められるように、断熱工事や保温工事を行います。特に排気ダクトの断熱工事は、消防法で義務づけられている重要度の高いものです。

断熱工事の重要性

断熱工事は、飲食店の厨房の排気ダクトや、ビル・マンションの排煙ダクトなどに施す工事です。
グラスウールとロックウールなどの断熱材をダクトに巻くようにして設置し、ダクトの熱による火災発生を予防します。また、万が一の火災の際には、火が燃え広がるのを防ぐ役目もあります。
一般的に、ビル内の店舗は排煙ダクトを共有しており、それぞれの店舗から伸びている排煙ダクトが途中で合流し、一本の太い排煙ダクトになっています。
そのため、排煙ダクトの断熱処理をしっかりしていないと、ある店舗の火災が排煙ダクトを通してほかの店舗へと広がってしまう恐れがあるのです。

保温工事の重要性

保温工事は換気ダクトなどに対して施し、空気をできるだけ希望の温度に保ったまま運べるようにする工事です。
保温剤をダクトに巻くことで、ダクトから熱が発散されたり、ダクト内の空気が熱されたりするのを防ぎます。
冷暖房などの効率を高め、省エネする効果があります。
美観的な要素から、羽根ではなくパンチングメタルなどを使用し、美しいデザイン性を兼ね備えたタイプもあります。

結露を防ぐのも保温工事の大切な役目

保温工事を行う重要な目的のひとつが、結露の予防です。
保温工事を行わない換気ダクトでは結露が発生しやすく、結露によってダクト内に水が発生したり、ダクト外に発生した水が天井内で水たまりを作り、腐食やカビなどの原因となったりすることがあります。
このように、断熱工事や保温工事はダクトを安全に効率よく運用する上で非常に重要です。
排気ダクトや換気ダクトの工事を行う際には、断熱工事や保温工事についても確認するようにしましょう。